合併症などの危険性、予後
過排卵刺激での
危険性 卵巣過剰刺激症候群:hMG、hCGの刺激によって必要以上に卵巣が腫れてしまった状態です。この場合程度によって症状は違いますが、卵巣の腫れによる腹痛、腫れた卵巣がねじれた事で起こる卵巣の茎捻転、胸水、腹水の貯留、呼吸困難、尿がでない、肝機能障害、腎機能障害、血液の濃縮及びそれによる血栓症などを引き起こし入院や手術が必要になることもあります。死亡例の報告もあります
採卵時の危険性
麻酔の事故(麻酔薬によるショック、呼吸停止など)
卵巣と腸の癒着があった場合腸に針を刺してしまい腹膜炎を起こし手術が必要になることがあります。お腹の中の太い血管を針で刺した場合も開腹手術が必要になることがあります
針を刺した膣壁の出血がひどい場合は縫合手術が必要になることがあります
子宮外妊娠
自然妊娠の場合は1%前後ですが、体外受精の場合は10%前後と高率です。また自然妊娠ではほとんど無い子宮内外同時妊娠の可能性が0.8~2.9%あり妊娠後も注意が必要です。
流産率
18~33%と施設によりばらつきがありますがこれは施設により体外受精の適応に違いがあるためです。また高齢の症例やハイリスクの症例を扱うほどその率は高くなります。自然の妊娠でも10~15%はあります。(40歳以上は40%前後)
多胎
自然の妊娠では双子の確率は1%弱の率ですが、体外受精の場合は約20%の多胎率があります。双子の場合は41%の早産率で妊娠中の管理においても非常にハイリスクとなります。
染色体異常
流産率が高くなる原因の一つとして染色体異常の率の増加が考えられていますが現在の時点では受精卵の時点で見分ける良い方法がありません。
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