体外受精の治療の内容
採卵のための術前検査
採卵時に麻酔をかけるため、胸のレントゲン、心電図、採血、尿検査などの検査をします。
過排卵刺激
正常女性は自然では1個の卵胞(卵子の入った袋)が、通常の排卵誘発剤の使用では2~3個の卵胞が形成され排卵しますが、体外受精のための排卵刺激は通常よりも強く5~10~20個の卵胞が形成され多くの卵子を採取します。
子宮に戻す受精卵は1~2個ですので残りの受精卵は凍結して妊娠しなかった場合の次回分として利用できます。
一回の採卵で数回の胚移植(受精卵を子宮に戻すこと)ができることになります。その反面、過剰な刺激のため卵巣過剰刺激症候群などの重篤な合併症を起こしやすくなります。
hMG 150~300単位/日、hCG 5,000~10,000単位、テルロン、成長ホルモン(排卵刺激の反応の悪い人など)、漢方、スプレキュアなどを使用します。
経膣超音波検査での卵胞のチェック
卵胞の数や大きさを計測し、hMGの量を調節したり、hCG に切り替える時期や採卵の時期の予定をたてます。
卵胞が3個以上できない場合や15mm以上の物ができない場合は妊娠の可能性が低いためその時点でいったん中止(キャンセル)とし、次回薬の量を変えたり、他の薬を併用したりしてやり直しにします。
採卵
静脈麻酔や局所麻酔を行って、経膣超音波で見ながら膣側からお腹の中の卵巣に針を刺して卵子を採取します。
精子調整
元気の良い精子を集めて濃縮し、卵子と混ぜる準備をします。
媒精
精子と卵子を混ぜ合わせて培養器に入れ精子と卵子の結合した受精卵を作ります。
胚移植
出来上がった受精卵を子宮の中に戻します。
胚凍結保存
胚移植に使わなかった残りを液体窒素の中で凍結させ保存し、今回妊娠しなかった場合の次回分とします
顕微授精(ICSI)
通常の媒精では受精卵ができなかった場合、精子が非常に少ない場合、抗精子抗体を持っており受精卵ができにくいと予想された場合など、顕微鏡で見ながら卵子に針を刺して中に精子を強制的に注入し受精させる方法です。
アシストハッチング
受精まではしたが子宮の中にうまく着床(子宮の壁にくっつく事)してくれずに妊娠しない場合、顕微鏡で見ながら受精卵に小さな穴を開けて着床を助ける方法です
0コメント